野菜不足になるとどうなるの?

「野菜を食べると健康になる」または「野菜を食べないと体に良くない」といったことは、皆さん自然と認知していることだと思います。しかし、それを分かっていながらも現代の日本人の食生活は、肉に偏り続けています。何故、分かっていながらも食生活は改善されないのか。それは「時代」と一言で言ってしまえばその通りなのですが、そんな言葉で済ませてはいけないほど、日本人の野菜不足は深刻なものとなってきています。

野菜の栄養素が不足していると、体に様々な不調をもたらし、近年では精神面でも悪影響を及ぼすことが指摘されています。特に、免疫力が低下しがちな中高年の方々にとっては、野菜不足が最悪命取りとなる危険性すらあります。免疫力の低下のほかに、野菜不足から起こる病気は、便秘、肌荒れなど様々です。でも、それだけの疾病では済まずに、最終的には高血圧や動脈硬化にもつながってしまいます。

厚生労働省では、人間が健康を維持するためには1日あたりに緑黄色野菜を120gと、その他の野菜を230g摂取することが望ましいとしています。しかし、現代の欧米化した食生活でこの野菜の量を摂ることは大変難しく、外食が多くなっている方ならなおさら不可能に近いことでしょう。平成19年度の野菜摂取量の調査では、最も多く野菜を食べているのは60代の人という結果がでましたが、それですら目標の合計野菜摂取量の350gには達していませんでした。20~40代の方ではおよそ100g足りず、50代の方でも50g程度不足していました。

ところで、なぜ野菜の摂取量は350gが好ましいのでしょうか。最も重要な問題となるのがビタミン不足です。野菜不足が問題というよりは、ビタミン不足が問題といった方が正しいのかもしれません。昔から、ビタミンB1が不足すると「脚気」(心不全と末梢神経障害をきたす疾患)、ビタミンCが不足すると「壊血病」(組織間をつなぐコラーゲンや象牙質、骨の間充組織の生成と保持に障害を受ける病気)、ビタミンDならば「くる病」(脊椎や四肢骨の湾曲や変形がおこる病気)などが起こるということが知られていて、総合的に「ビタミン欠乏症」とよばれています。現代では栄養状態も向上していますし、こうした表だった病気はあまり目立たなくなりましたが、3人に1人が「潜在的ビタミン欠乏症」といわれ、精神的だったり気が付かないところでビタミン不足の影響を受けています。
潜在的ビタミン欠乏症の主な症状は、イライラ・不眠・食欲減退・肌荒れ・倦怠感などで、深刻な状態になることはまず無いので、ほとんどの人がそれがビタミン不足によってもたらされたものだということに気が付きません。また、研究段階ではありますが、「うつ」を発症する人にもビタミン不足が関わっているのではないかと言われています。うつの症状を持つ人は共通して、ビタミンの仲間の「葉酸」が不足しているのだそうです。精神的な病気だと知られている「うつ」も、実は野菜不足が原因として関係していたのです。
野菜不足がもたらす悪影響をお分かりいただけたでしょうか。ここに挙げただけではなく、他にも多くの影響が皆さんの体に及ばされていることと思います。是非とも「野菜不足」を他人事のように捉えないで、みなさん自身が「潜在的ビタミン欠乏症」なのではないか、という疑いすら持っていただきたいと思います。

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